約 1,929,723 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9118.html
魔法少女おりこ☆マギカ 外編 より 美国織莉子を召喚 ゼロのルイズとオラクルレイ 01 ゼロのルイズとオラクルレイ 02 ゼロのルイズとオラクルレイ 03
https://w.atwiki.jp/touhoupuppetshow/pages/41.html
Eルイズ No.227 タイプ:ノーマル 特性:めんえき(どく,もうどく状態にならない) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 90 80 80 80 90 70 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) かくとう いまひとつ(1/2) --- いまひとつ(1/4) --- こうかなし ゴースト 同タイプ人形比較 HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 EリリーW 120 60 100 60 100 60 Eもみじ 90 120 80 40 60 90 Eてぃ 95 75 75 75 75 90 Eこいし 95 85 90 140 65 80 Eことひめ 90 85 75 85 85 70 Eルイズ 90 80 80 80 90 70 Eむげつ 100 75 70 75 120 80 あきゅう 50 30 30 40 90 60 Eオレンジ 255 20 80 35 20 60 ナズーリン 80 100 65 60 85 100 Eルイズ 覚える技レベルアップ 技マシン タマゴわざ 覚える技 レベルアップ ちびルイズ ルイズ Eルイズ 技 1 1 1 はたく 7 7 7 まるくなる 11 11 11 たまなげ 15 15 15 かげぶんしん 19 19 19 うたう 23 24 24 アンコール 27 29 29 バリアー 31 34 34 たたきつける 35 39 41 ピヨピヨパンチ 39 44 48 おだてる 43 49 55 ミラーコート 47 - - じたばた - 54 62 がむしゃら 技マシン マシン 技 技06 どくどく 技07 あられ 技09 めいそう 技10 メロメロ 技11 にほんばれ 技12 ちょうはつ 技15 LUNATIC 技16 ひかりのかべ 技17 まもる 技20 しんぴのまもり 技27 おんがえし 技32 かげぶんしん 技33 リフレクター 技37 すなあらし 技39 がんせきふうじ 技42 からげんき 技44 ねむる 技45 あさのひざし 技49 よこどり タマゴわざ くすぐる あまいかおり しろいきり マッドボム キノコのほうし てだすけ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4206.html
前ページ次ページルイズの恐竜惑星 前回から引き続き、医務室にいるルイズとラプター。 「ふーん..それじゃあ、あんたはギラグールって言う竜人の戦士ってわけ?」 「単純に言ってそういうことだ」 冷静なようだが実のところラプターは混乱していた。 彼は自分の住む恐竜人類の世界と、哺乳人類の世界、 そしてバーチャル大陸を交差点とする多次元宇宙の存在は把握している。 だがいくらなんでも魔法が文明の基盤で、なおかつ科学どころか機械の概念すらない世界など聞いた事がない。 ややこしくなるのを避けるため(というか別の世界と言っても信じないだろう)こうした言い方をしている。 「悪いけど...とても信じられないわ。だってギラグールなんて今まで聞いた事無いもの」 「じゃあこの国との接触がまったくなかったか、お前が余程の世間知らずかどっちかだな」 「...何よその態度!あんたは私の使い魔で、私はあんたのご主人様なの!」 「誰もお前に従うなんて言ってないが」 「でも契約はしたのよ!だから少しぐらい敬う気になったらどうなの!?」 「へいへいマスター。これで満足か?」 「...もうそれで良いわよ」 「それで使い魔ってのは具体的に何をする物なんだ?」 「いいわ。それじゃ使い魔というのは...」 ルイズの話を要約するとこうだ。 使い魔の役目は主に3つあり、1つ目は主人の目となり耳となること(要するに感覚を共有することらしい)、 2つ目は主人の望む物を手に入れること、そして3つ目が主人を守る事。 「それで今俺が見てる物(ルイズの顔)が見えるのか?」 「駄目何も見えない...それで2つ目は秘薬の材料のコケや鉱石を手に入れることなんだけどできる?」 「種類や特徴の指定さえあればなんとかなるだろう」 もともとラプターは指定された恐竜を狩る任務についていた。それが鉱石などに変わった位だ。 「それで3つ目は主人を守る事なんだけど...」 「戦闘なら得意分野だ」 「..そう。ならいいんだけどね...」 即答して左腕のクローを振り上げたラプターに、思わず冷や汗をかくルイズだが、内心歓喜していた。 「(ひょっとして当たりを引いたのかも..?)」 前ページ次ページルイズの恐竜惑星
https://w.atwiki.jp/touhoulal/pages/210.html
(るいず) 「やっぱり、ここから入ってこようとしてたわね!」 LV HP 力 速 体 知 種族 サイズ EXP ドロップアイテム 13 572 12 32 33 51 1x2 ソウルジェム 属性耐性 状態異常耐性 フィールド耐性 特記事項 善、悪に強い 眠り なし 逃亡不可 ※Ver1.05時点のステータス。 使用技 ブルーファイア 単体対象の有射程攻撃。 ??? (???) 「出番よ実験体! 侵入者をかわいがってあげなさい!」 LV HP 力 速 体 知 種族 サイズ EXP ドロップアイテム 12 416 44 35 45 32 2x4 ソウルジェム 属性耐性 状態異常耐性 フィールド耐性 特記事項 善、悪に強い 眠り なし 逃亡不可 ※Ver1.05時点のステータス。 使用技 ライトブレード 単体対象の近接攻撃。多段ヒット技。 レフトブレード 単体対象の遠距離攻撃。 攻略 戦闘開始直後に現れる三体の???が戦闘フィールドの大部分を塞いでしまうため、 ルイズにまともに攻撃するためには先にコイツらを倒す必要がある。 ???の攻撃で危険なのはライトブレード。 多段ヒット技なので多少運が絡むとは言え、全段ヒットすると結構痛い。 そのため距離を離して戦うのが基本だが、レフトブレードの射程がそれなりに広く、思わぬ所から攻撃される事もあるので注意。 分散して攻撃するよりも一体ずつ集中的に攻撃して早めに倒すと良い。 ???を全て倒すとルイズがブルーファイアを連発してくるが、攻撃力はそれほど高くはないので、 ???さえ倒してしまえば後は大して苦労しないだろう。 キャラクター概要 東方旧作の「東方怪綺談」の2面ボスとして登場した魔界人。 魔界から人間界へ向けて旅行しようとしていたが、 魔界と人間界の境界で運悪く靈夢たち主人公勢に出会ってしまった。 ???の元ネタはナンバー128。 ファイナルファンタジーVIに登場するボスモンスターである。 原作には正面を向いたグラフィックしか存在しないため、 側面や背面のグラフィックはドッターの手打ちによるオリジナルらしい。 本作では、霊烏路 空の能力を用いた核兵器製造プラントを止めるため、 地上部隊を囮として地下から侵入してきた魅魔達に襲い掛かった。 尚、明羅はこの時に???を見て「実験体!?まさか!」と驚いており、 明羅が実験体について何か知っている事が仄めかされている。
https://w.atwiki.jp/mitlocke/pages/721.html
ルイズ ランク:D G(ゼロの使い魔) 属性 ・女 ・虚無の担い手 ・魔法使い ・人間 敗北条件 固有の敗北条件なし 能力値 ESP能力レベル 4 ESPパワー 25 耐久力 5 精神力 6 特殊能力 ・エクスプロージョン[戦闘][主要][攻撃][E] D弾を1枚利用することで、[LV:4 火力:20]で対象1体に攻撃を行う。 ESPパワーを10消費する。 ・ディスペル[戦闘][特殊] 自分以外の対象が攻撃を行った時、自分のESPパワーを任意の値だけ消費することで、 対象の攻撃の火力を消費したESPパワーの2倍分だけ減少させる。 ・イリュージョン[戦闘][主要] 精神力チェックを行う。成功した場合、以下の効果を得る。 この能力は1戦闘に1回のみ使用できる。 *自分が攻撃対象に選択された時、1D6を振る。 3以下が出た場合、その攻撃を回避する。 この効果は1戦闘に1回のみ使用できる。 ・サモン・サーヴァント[戦闘][先制] ESPパワーを3消費することで、精神力チェックを行う。 成功した場合、その戦闘中[手下:2]を1人得る。 この能力により同時に複数の手下を得ることはできない。 この手下は同調を行った場合、その同調後に失われる。 ・コントラクト・サーヴァント[戦闘][支援] サモン・サーヴァントにより得た手下が同調しても失われなくなる。 ESPパワーを5消費する。 解説・動き方 Dランクだけど4ー25-5-6と高めの能力値を持つ能力値重視キャラクター。 攻撃能力は微妙だが、ディスペルが非常に優秀。 攻撃対象が自分以外の場合でも使用でき、消費するESPパワーも好きな量を選択できるのでかなり便利。 ESPパワーの管理には特に気をつけよう。 高LVのCカードを使うよりはディスペルにESPパワーを回した方が良い場合もある。 (6以下1回は41.67%、6以下2回は17.36%、6以下3回は7.23%) ルイズ側から見るとパワー消費がきつい印象を受けるが、敵からすると結構うざい能力である。 サモン・サーヴァントは精神力チェックに失敗すると 貴重なESPパワーを消費しただけになってしまうので少し考えてから使おう。 動き方としては普通の(G)キャラクターと同じように動くと良いだろう。 優秀なキャラクターではあるが、攻撃能力に乏しいので戦闘では逃げを常に選択肢の一つとして考え、 ディスペル等で仲間のサポートに努める方が強い。 Q&A Q.格闘攻撃に対してディスペルは使用できますか? A.はい、使用できます。 その場合、攻撃者に行われる損害判定は攻撃者が宣言した値で判定し、 攻撃対象に行われる損害判定はディスペルで火力が減少した後の値で判定します。 このキャラクターへの意見 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/310.html
ルイズはキュルケとの関係を食堂へ行く間におとーさんに説明しました。 「おとーさん、いい?わかった?これからキュルケとキュルケの使い魔とも話もしちゃだめだよ」 おとーさんはちょっと悲しそうにポツリと呟きました。 「・・・なかよく」 ルイズにはこの時おとーさんの呟きは聞こえませんでした。しかし、後にルイズはその言葉を聞くことになります。 アルヴィーズの食堂に着くと大きく豪華な食堂についての講釈をルイズが始めましたが、おとーさんはあまり聞いてはいないようです。その後椅子を引かないおとーさんをルイズは怒り説明します。周りの生徒はその様子を見ながらクスクス笑っています。そして、ルイズはおとーさんの食事を床に置かれた木箱の上の質素をはるかに下回るパンとスープであると説明しました。 (私は豪華な食事。おとーさんは床で質素な食事。これで上下関係をしっかり認識してもらうわよ) 始祖ブリミルへの祈りも終わり食事が始まるとおとーさんは汗を流しながら料理を見ています。そして、徐に口に運ぶと・・ 「う、うまい」 と言いながらごく普通に食べていました。 (もも、もっと質素にすれば良かったのかしら・・・) その様子を見ながらルイズは作戦が空振りだったなと思っていましたが、思いもよらぬ出来事が起こりました。 おとーさんが食事を終わった時、他の生徒はすでに食べ終えていました。しかし、ルイズは食べるのが遅くまだ食べていました。そんなルイズの元におとーさんが近づいてきました。そして、ルイズが食べ残していたサラダを指差すのでした。 「な、なによ」 「からだにいい」 「え? ほっといてよ!私このサラダ嫌いなのよ」 ちょっと怒っているルイズに対しておとーさんはさらに近づき。 「からだにいい!!」 おとーさんの迫力に押されてしぶしぶサラダを食べるルイズでした。ちなみに、ルイズも身体にいいならと、おとーさんにはしばみ草のサラダを食べさせました。もちろんさっきの仕返しのつもりです。しかし、モリモリと食べるおとーさんにそれ以上何もいえなくなりました。少し離れた席でその一部始終を見ていたタバサはおとーさんのはしばみ草の食べっぷりにはしばみ草の愛好家として物凄い親近感を覚えるのでした。 朝食が終わるとルイズはおとーさんを教室へ連れて行きます。 教室には生徒とその使い魔が居ました。もちろん、大きくて教室に入りきれない使い魔は外に居ましたが。おとーさんは使い魔なので他の使い魔と一緒の場所にいることになりました。 シュルヴルーズが教室に入ってきて授業が始まりました。ふと、ルイズはおとーさんの様子が気になりその方を見てみました。 すると、使い魔たちが一匹ずつおとーさんへ挨拶をしているような光景がそこにはありました。 (そういえば・・・今朝キュルケのサラマンダーににらめっこで勝ってたみたいだけど・・・結構強いのかしら?) そんな事を考えながらよそ見していた所を運悪くシュルヴルーズに見つかってしまいます。 「ミス・ヴァリエール、授業中によそ見とは余裕があるようですね。」 「え? あ、ははい」 完全によそ見していた事がばれてしまったルイズは錬金の魔法をするように言われました。他の生徒は口々にシュルヴルーズに対してルイズにさせる事が危険だと言います。ですがシュルヴルーズは再度ルイズに錬金するように言いました。ルイズは失敗しないように頑張っていつも以上に集中しました。使い魔の前で失敗したくなかったからです。生徒たちは机の下に隠れたり外へ避難したりしました。 そして、いつも以上に集中していた為にいつも以上の盛大な爆発が起こりました・・・
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1052.html
戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (8)空賊船 ルイズ達が空の人になり数時間がたった。 既に夜は明け、太陽は眩しいばかりの光を放っている。 「アルビオンが見えたぞー!」 鐘楼の上の見張りの言葉通り、船の行く手には巨大な陸地。 「浮遊大陸………」 ウルザの知識の中でも、伝承や御伽噺としか聞いたことが無いようなものが、その前に広がっていた。 「そう、浮遊大陸アルビオン。ああやって空中を浮遊して、主に大洋の上をさ迷っているわ」 流石に驚きを隠せないウルザに、ルイズが説明する。 一瞬呆けていたウルザであったが、ルイズの説明を受けた後はぶつぶつと独り言を呟きながら何処かへ行ってしまった。 アルビオン、浮遊大陸、月、始祖ブリミル、虚無、白と黒のマナ。 少しづつだが、確実に全体像を捉えるピースは揃ってきている。 一人、考えを纏める為に船室に戻ったウルザであるが、船の異変を察知する。 停戦するらしい動きを見せる船。 思いのほか長い時間を過ごしてしまい、その間にアルビオンに到着したのだと考えて甲板に戻る。 だが甲板では船員達が慌しく動き回っており、常ならぬ事態が起きていることが分かった。 忙しく動き回る船員達の間に、桃色の髪を見つけて呼び止める。 「ミス・ルイズ。一体何が起こった?」 「空賊よ」 ルイズ達が乗る船に横付けされた空賊船から、屈強な男達が乗り込む。 手には曲刀や斧、その数およそ数十人。 見つめるウルザとワルド、共に無言である。 ただ一人、ルイズだけがおびえた様にウルザの背中に隠れるように移動する。 「船の名前と積荷は?」 「トリステインの『マリー・ガラント』号。積荷は硫黄だ」 空賊の頭目らしい男と船長の会話。 既に船は完全に空賊に制圧され、船員達は震えながら二人の会話、自分達の命運を決定するであろうそれを聞いている。 「硫黄か…」 頭目はにやりと笑うと、船長の帽子を取り上げ、自分の頭に被せる。 「船ごと全部買った、料金はてめえらの命だ」 「船長」 空賊達が船の中を調べまわっている時、ウルザが声をかける。 同時にウルザを振り返る空賊の頭目とマリー・ガラント号の船長。 ウルザが視線を空賊の方に向いているのが分かると、船長は恨めしそうに未だ頭目の頭にある帽子を見やった。 「我々はトリステイン王家からの使いだ、アルビオン王党派に接触する為に派遣されている。どうか我々だけでも解放してもらえないだろうか」 後ろに控えるルイズ、それにワルドが目を見開く。 「ちょっ!ちょっと!何言ってるのよ!?頭でもおかしくなったの!?」 「いや、ミス・ヴァリエール。私は正常だ。任務は何があっても達成されなくてはならない」 頭目が胡散臭げにルイズ、ワルド、それにウルザを交互に見やる。 「おやおや、お貴族様まで積んでたとはなぁ。 おい、てめぇら!こいつらも運びな、身代金がたんまりと貰えるだろうぜ」 空賊に拘束されたルイズ達は船倉に監禁されていた。 「何であんなこと言っちゃったのよ!?」 そこでの話題の中心は、もっぱら先ほどのウルザの発言についてである。 「この任務は隠密なのよ!?誰にも知られちゃいけないの!」 食って掛かるルイズ、無言のウルザ、何か思うところがあるのか、ワルドも沈黙を通している。 「そそそ、それを、よりにもよって空賊なんて下賤の輩に!」 そんな賑やかな一行に、野太い声がかけられる。 「おい、お前ら。頭がお呼びだ」 三人がその空賊に案内されて連れてこられ先は、小奇麗ながらも品のよい立派な部屋だった。 豪華なディナーテーブルが置かれており、上座には先ほどの派手な格好の空賊が腰掛けている。 周囲には多数の空賊達が武器を手に控えている。 ここまで連れてきた空賊の男が後ろからルイズをつつく。 「おい、お前たち、頭の前だ。挨拶しろ」 しかし、ルイズは頭を睨みつけるだけで応えようとはしない。 「くくくっ、気の強い女は好きだぜ、子供でもな。それじゃあ名前を名乗りな」 ルイズの中で一瞬の葛藤、このままシラを切りとおすべきか、ウルザの言ってしまったことを認めるべきか。 もう一度、目の前の男を見た。 貴族として、こんな男に対して嘘をつくことが、許せないことであるように感じた。 「大使としての扱いを要求するわ。そうじゃなかったら、一言だってあんた達なんかと口をきくもんですか」 見つめるルイズの目を真っ向から見据えながら頭が言う。 「王党派にようとか言ってたな。あんな明日にも消えちまうような連中に、何のようがあるってんだ?」 「あんたに言うことなんて何も無いわ」 頭は、心底楽しそうな声えルイズに告げる。 「貴族派につく気はないか?あいつらはメイジを欲しがってる。たんまり礼金も弾んでくれるぜ」 「死んでも、イヤ」 侵略者に対して、懸命に抗う姿、そんな少女を見ながら頭が目を細めて問いかける。 「もう一度言う。貴族派につく気はないかね?」 「答えは同じ、ノーよ」 突然に笑い始める頭目、それも小さく笑うというものではない、爆笑の類だ。 つられて周囲に控えた空賊達も大笑いを始める。 「なな、何で笑うのよ!?」 「はっはっはっは!トリステインの貴族は、本当に気ばかりが強くていけないな。 何処かの国の恥知らずどもに比べれば何百倍もマシだがね」 そう言いながら頭が立ち上がる、それと同時に空賊達の笑い声が一斉に止む。 「失礼した。貴族に名乗らせるなら、まずこちらが名乗りをあげなくてはね」 頭目が頭の黒髪―カツラ―を剥ぎ取る、続いて眼帯、付け髭も。 そうして現れたのは凛々しい金髪の青年であった。 「私はアルビオン王立空軍大将、本国艦隊司令長官…いや、通りのよい名前で名乗ろう。 アルビオン王国皇太子、ウェールズ・チューダーだ」 貴族の嗜みも忘れて口をあんぐりと開けるルイズ、興味深そうに見つめるワルド。 ただ一人、ウルザのみが無反応。 「その顔は、どうして皇太子が空賊なんてやっているんだって顔だね。 いや、金持ちの反乱軍には次々と補給物資が送り込まれる。それを絶つのが目的でね。 流石に堂々と王軍の旗を掲げたのでは、あっという間に袋叩きにされてしまう。 そこで、これさ」 そういいながら、先ほどまでつけていたカツラを掲げ、イタズラっぽくウインクした。 「そこの眼鏡のメイジの方には最初からお見通しだったみたいだけどね」 「ええ!?どういうことよミスタ・ウルザ!」 「それは僕も聞きたいところだな、なぜばれたのかな?」 ルイズとウェールズ、二人に問いかけられて、ウルザも重い口を開いた。 「まず、最初の一点は、統率が取れすぎていること。 船を制圧した際の空賊の手際が良すぎたのと、注意深く見れば歩き方が訓練された兵士のそれと分かったのだよ。 兵士が賊を身をやつすとすれば、敗残兵達が賊と化すことが考えられるが、それにしては統率が取れすぎていた。 次に、君達の武器だ。 斧に曲刀、君達は良かれと思って持っていたのだろうが、敗残兵は普通、本来自分達が支給されていた武器を持っているはずだ。 訓練された兵士の動きをする空賊達が揃えたように『空賊姿』なのは不自然なのだ。 第三に、君達が船の乗員を誰も殺さなかったことも判断材料だった。 これらから、君達が正規の軍隊であると推理した。 そして、先ごろ聞いた戦況を考慮すると、どちらの正規軍かは予測がつく」 「ははは、全くとんだ名探偵がいたものだね、いや、全く。 次があるなら是非とも参考にさせてもらうよ」 「流石に皇太子殿下本人がお乗りとは思いませんでしたがな」 縄を解かれて立ち上がったルイズ達に、深々と礼をとるウェールズ皇太子。 「アルビオン王国へようこそ。大使殿。さて、御用の向きをお聞かせ願おうか」 ルイズは未だ、ショックで上手く口がきけないらしく、代わってワルドが優雅に頭を下げた。 「アンリエッタ姫殿下より、密書を言付かって参りました」 「ふむ、姫殿下とな…君は?」 「トリステイン王国魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵に御座います」 それからワルドはルイズたちをウェールズに紹介する。 「そして、こちらが姫殿下より大使の大任をおおせつかりましたラ・ヴァリエール嬢と、その使い魔のメイジ殿で御座います」 「ほう!使い魔にメイジとは珍しい!して、その密書とやらは?」 ルイズが慌てて、懐からアンリエッタの手紙を取り出し、恭しくウェールズに近づいた。 しかし、その歩が途中で止まる。 「ん?どうしたのかな?」 「あ、あの……失礼ですが、その、本当に皇太子さま、ですか?」 流石にこれにはウェールズ、その周辺の兵士達も笑いを堪えずにはいられなかった。 再び爆笑の渦、一人顔を焼け石のように真っ赤にするルイズ。 「いやいや、無理も無い。でも僕はウェールズさ、正真正銘の皇太子。何なら証拠をお見せしよう」 ウェールズがルイズの指に光る水のルビーを見つめていった。 自分の薬指に光る指輪を外すと、ルイズの手をとり、水のルビーに近づけた。 するとどうであろうか、二つの宝石が共鳴しあい、周囲に虹色の光を振りまいた。 「この指輪はアルビオン王家に伝わる風のルビー。君が嵌めているアンリエッタの水のルビーとは共鳴作用があるんだ。 水と風は、虹を作る、王家に、」 王子がそう言いかけたその時、何かが弾けたような大きな音が部屋に響き渡った。 敵襲を警戒し、瞬時に臨戦態勢に切り替わる訓練された兵士達。 ルイズを抱くようにして伏せさせるウェールズ皇太子。 ワルドも素早く部屋に立てかけてあった武器に飛びつく。 しかし、待てども襲撃は無く、同じ音が続けてあがることも無かった。 全員が緊張を保ちながら音の原因を探ろうとしたとき、蹲ったままの者が一人いる。 ウルザである。 ウルザは手で両目を押さえながら何かを堪えるように歯を食いしばっていた。 空賊を見つけたときに大急ぎで逃げ出しても遅い 彼らは既に君達を見つけていたのだから 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/333.html
爆発自体については、おとーさんは平気でしたが使い魔たちが混乱して暴れています。 「し――― 静かに、娘が起きてしまいます」 おとーさんの電波な言葉で使い魔達は一応落ち着きました。 おとーさんが辺りを見回すと爆発のせいで木っ端や何かの破片が散乱しています。 咳き込みながら生徒たちは机の下から出てきます。 殆どの生徒は無事のようでしたが、逃げ遅れたのか一人の太った生徒が教室の隅でのびていました。 ルイズの方を見ると服はボロボロで全身煤だらけになっています。 「ちょっと失敗しちゃった」 煤を手で払いながらルイズはそう言いますが、生徒からは非難ごうごうです。 シュルヴルーズは最後の気力を振り絞りルイズに教室の掃除と今日一日魔法の使用を禁ずる事を言い渡して そのまま気絶しました。ルイズは元々魔法が使えないのであまり意味はありませんが。 爆発のせいで今日の授業が中止になったので生徒たちはそれぞれの部屋に帰りました。 教室にはおとーさんとルイズの二人だけが残り、爆発の後片付けをおとーさんがしています。 ルイズは机の上に座ってその様子を見ていました。本来ならばルイズが片付けをしなければならないのですが、 私の使い魔だからとおとーさんに押し付けたのでした。 「・・・・また・・失敗した・・・ 」 おとーさんは掃除の手を止め、呟くルイズを見ました。 「いっつも失敗するの。簡単なコモンマジックも使えないの。魔法成功率ゼロ、だから『ゼロのルイズ』ってみんなバカにするの・・・・」 ルイズの肩が小さく小刻みに震えているのがわかります。 おとーさんは知りませんが小さい頃からルイズは貴族の三女として厳しく育てられてきました。 無論そのこと自体はごく普通なことなのですが、ルイズは魔法が使えないため人一倍厳しく育てられました。 ルイズ自身も人の何倍も努力して魔法が使えるように頑張りました。 それは、トリステイン魔法学院入ってからも続けてきました。ですが、どう頑張っても魔法を使うことが出来ませんでした。 その為、学院の生徒から馬鹿にされ平民からも表立ってではありませんが陰で馬鹿にされていました。 貴族としてその事は恥辱でした。また、使えない自分自身にも嫌悪感をつのらせていました。 「・・・サモン・サーヴァントが成功して・・・ おとーさんを使い魔に出来たから・・・ 魔法が使えると思ったのに・・・ なのに・・・」 ふいにルイズは優しく抱きしめられました。吃驚して顔をあげると抱きしめているのはおとーさんでした。 「ちょ、ちょっと、おとーさん何やって・・・」 ルイズがそう言うと今度は頭を撫で始めました。無言でしたがそれはそれはとても優しく。 そうこうしているとルイズの肩がまた小刻みに震え始めました。 「こここ、子ども扱いしないでよ!!!」 ルイズはそう言うとおとーさんから離れ教室の出口まで駆け出しました 「もう、おとーさんの今日の食事抜き!!」 そう一言残してルイズは教室から出て行きました。 おとーさんはしょんぼりした感じでまた教室の掃除を始めました。 おとーさんの掃除が終わったのは正午を少し過ぎたころでした。 ルイズの部屋に帰ろうとしていましたが、今朝の洗濯物の事を思い出してシエスタの所へ行く事にしました。 洗濯場へ向かっていたおとーさんでしたが、美味しそうな臭いがしてきたのでついついそちらの方へ行ってしまいました。 食堂に着いたおとーさんでしたがルイズから「食事抜き!!」を言われたのを思い出してしまいました。 おとーさんはその場で涎をたらしてぼーっとしていました。 シエスタは食堂の外にいるおとーさんに気がついて近づいてきました。 「使い魔さん。お洗濯物出来上がっているので食事の後で渡しますね~って え? 食事抜きなのですか???」 シエスタは少し考えた後 「ちょっとこっちへ来てください」 と、おとーさんを厨房の方へと連れて行きました。 「余り物で作った賄いのシチューなのですけど、良かったら食べてくださいね」 おとーさんはシチューを頂きました。賄いという事でしたが、朝食べた質素な食事に比べたら遥かに豪華でした。そしてそれはとても美味しいものでした 「美味しかったですか? よかった~。食事抜きの時はいつでも言ってくださいね。 え? 仕事を手伝いたい? じゃぁ、このデザートを配って・・・」 デザートを手にとってシエスタはおとーさんを振り返りました。そこにはメイド服姿のおとーさんが居ました。 「あ、あはは・・・・ 別に服まで着なくてもいいですよ」 シエスタは引きつった笑いでおとーさんにそう言うと、メイド服を脱がせて改めておとーさんに手伝ってもらうことにしました。 (私、なんかとんでもない事お願いしたんじゃ・・・) シエスタはちょっと不安を覚えました・・・・
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/753.html
戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (5)灰毛の誓い 「決闘だっ!!」 食堂にギーシュの絶叫がこだまする。 「いいかっ!貴様!貴族に逆らったことを後悔させてやる!」 ギーシュがシエスタの横の平民を指差して叫んでいる。 シエスタも、平民の男も、すっかり顔を青くしてガタガタと震えている。 ハルケギニアでは貴族は絶対、平民がそれに逆らうなど許されないのだ。 「待ちたまえ」 ギーシュがギ、ギ、ギと首を背後へと向ける。 そこにいたのは杖を持ち、色眼鏡をつけた髭のメイジ。 ゼロのルイズの使い魔、得体の知れないメイジ、ウルザの姿であった。 「その決闘、私が代わりに引き受けよう。」 哀れギーシュ、彼は今ヴェストリの広場でトライアングルメイジと目される男の前に立たされている。 周囲からは野次馬が集まり、遠巻きに眺めている。 当のギーシュはなぜこのようなことになったか分からないという風体である。 自分はシエスタのしたことの八つ当たりを平民にしようとしただけなのに……なぜこんなアブなそうな男の前に立たされているのだろう。 呆然としているのはギーシュだけではない、もう片方の決闘の当事者の保護者(?)であるルイズもであった。 「な、な、な、なんでこんなことになっているのよ!?」 「ふむ…話せば長いのだがね、少々迷惑をかけた者―――彼女だ、そのお詫びに彼女が被る筈だった泥を私が被ったということになる」 「まあいいわまあいいわまあいいわ!でも貴族同士の決闘は禁止されているのよ!」 「そうなのかね?私も記憶が曖昧なものでね、そういったことは分からなかったのだ。 それに、その法は私のように本当に貴族であるか分からない者にまで適用されるのかな?」 「そ、それはそうだけど………でもきっと、オールド・オスマンがお止めになるわ!」 「では、オスマン氏が止めるならば、決闘は取りやめよう」 その頃、院長室ではオスマンとロングビルが広場での騒ぎを眺めていた。 「オールド・オスマン、あのような決闘、お止めにならないのですか?」 「貴族同士の決闘なら兎も角、彼はメイジではあるがはっきりとした素性は分からない。そのような者との決闘は禁じられておらんからなぁ。」 「学院長がそう仰るのでしたら………」 ロングビルがオスマンの姿を確認する、そこにいるのはいつものオスマンに見える。 しかし、その瞳が何かに駆り立てられたように使い魔のメイジを見ていることに、疑念の感じずにはいられなかった。 「ちょっとぉ!オールド・オスマンは何をしてるのよ!何で止めに来ないのよっ!!」 オールド・オスマンの制止が無いまま、ギーシュが指定していた時間が直ぐそばまで迫っていた。 ギーシュの顔色は青を通り越して土気色である。 彼としても、こんな決闘はオスマンが認めないと思っていたのだ。 「さて、時間だ」 「ま!待ちなさい!」 長身のウルザの前に小柄なルイズが手を広げて立ちふさがる。 「一つだけ、一つだけ約束して頂戴っ!」 「おおっ!ルイズっ!君は分かってくれるんだね!今まで君の愛に気付かなくて御免よハニーっ!愛してるっ!」 ルイズが助けてくれると思ったギーシュは感動と彼女の愛の強さに痙攣してしまうのだった。 「ギーシュの命だけは助けてあげて頂戴!あとスプラッタみたいのも禁止!」 「へっ?」 「手加減か………得意ではないが、主人の命令だ、心得た。」 そうして決闘は始まってしまったのだった。 杖を下げ、構えを取らない使い魔メイジ、ウルザ。 一方、緊張の為に汗だくになりながら、ウルザの周りをじりじりを移動するギーシュ。 最初はドットである自分に、トライアングルであるメイジが本気を出すなんて無いと思っていた。 しかし、この男を正面から目にするとその甘い考えに疑問を覚えた。 この男は何処かおかしい、知っている他のメイジや、父親であるグラモン元帥、そして、この学校の教師達とも違う。 何かこう、違和感を感じるのだ。 ―――掛け違えたボタンをそのままにして歩いている人を見たときのような。 「いつでも来たまえ、まずは君が先行だ。」 「く、そっ!こうなったら………やってやるっ!」 ギーシュが懐からバラを取り出した。 「青銅のギーシュの力っ!思い知れっ!!」 ウルザの指がピクリと動いた。 「出でよっ!!ワルキューレッ!!」 「対抗呪文/Counterspell!」 ウルザが神速で杖を振り上げ何事かを唱えた。 生徒達に分かったのはそれだけだった。 そう、それしか起こらなかった。 ギーシュお得意のワルキューレの出現も、ウルザの魔法による攻撃も、何も。 「え!?え!?そんな馬鹿な、僕はちゃんと魔法を使ったぞ!」 正面の男は何も応えない。 「く、くそっ!怪しい術を使うなんてっ!こうなったら…もう一度だ!出でよ!ワルキューレ!」 「禁止!/Forbid!」 再び沈黙。 何も起こらない。 ギーシュも周りの生徒達も何が起こっているのか分からなかった。 「出でよ!」 「Force of Will!」 「このっ!」 「巻き直し!/Rewind!」 「えいっ!」 「マナ漏出!/Mana Leak!」 「とおっ!」 「放逐!/Dismiss!」 … …… ……… 暫くの間、この意味不明なやり取りが続いた。 流石にこの頃になると、生徒達も何かがおかしいと気付き始めたようである。 ギーシュは魔法を使っている、しかし、あのメイジが何かをしている為、何も起こっていないのだ。 既に発動した魔法を相殺するなら良くあることだ、しかし、発動すらしないとはどういうことだろうか。 ミシッ この時、ウルザが初めて、自分から一歩を踏み出した。 「では、そろそろ、良いかね?」 「ひっ、く、来るなぁっ!!」 半狂乱になりながらギーシュが放った薔薇。 これが決闘が始まって以来、初めて、ワルキューレへと変化を遂げた。 しかし、そのワルキューレはギーシュが本来生み出すそれより小さく、頼りなかった。 必殺の筈のそれは、ウルザに浅い傷を負わせることしか出来ない。 そうしているうちに、ウルザの呪文詠唱が終わった。 「灰色熊の召喚!/Summon Grizzly Bears!」 ∩___∩ |;;ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ /;;;;;;;●;;;;;;;;;●;;| クマ──!! |;;;;;;;;;;;;;;( _●_);;;;;ミ 彡、;;;;;;;;;;;|∪|;;;;;、;;;\ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽノ;;;;/´ ;;; ) (___);;;;;;;;;;;/ (_/ |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ |;;;;;;;/\;;;;\ |;;;;/ );;;;;) ∪ (;;;;;\ \;;;;;;) ※イメージ画像です 「………く、熊だああああああああああああああああああああっ!!!!」 「いやぁ!熊よっ!熊だわっ!」 「ちょっとっ!どいてよ!熊よっ!熊なんだから!」 「嫌だぁ!食われたくないぃ!」 「おがああああああああじゃああああああああん!!!!!!!!」 「きゃあああああああああああああああああっ!」 突然現れた熊を見た周囲の生徒達は蜘蛛の子を散らすように散り散りに逃げていく。 今、ヴェストリの広場はパニックのるつぼと化したのだった。 涎を垂らす熊の前には、哀れな犠牲者が一人……… 「そ、そんなっ!嘘だよねっ!食べたりしないよね!」 「クマー (※鳴き声のイメージです)」 灰色熊バゴスッ! ドミナリアの灰色熊から走って逃げてもむだだ。 追いつかれ、たたきのめされたあげくの果てに食われちまうのがオチだ。 もちろん、木に登るのは手だろうさ。 そうすれば、灰色熊が木を倒して君を食っちまう前に、ちょっとした風景を楽しめるからね。 ―――ギーシュ回顧録第三篇 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/908.html
マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (1)堅牢なる監獄チェルノボーグ チェルノボーグ監獄。 トリステイン城下において、最も厳重な警備と監視が行われている犯罪者の収容施設。 今、土くれのフーケはそこにいた。 「土くれのフーケ!裁判は来週中に行われる予定だ。 お前もチェルノボーグ監獄の噂くらいは知っているだろう。 妙な気など起こさず大人しくしていることだ!」 「……杖が無くちゃ、何も出来ないわよ」 看守に返すフーケの口調も何処か弱々しい。 ベットで横になる、その頭に過ぎるのは先ほど自分が言った言葉だった。 (杖が無くちゃ、魔法は使えないわよ……なのに、なぜあの男は使えたの?) 脳裏に過ぎるのは、この場所に来る直接の原因となった男の姿。 あの時、ウルザは確かに背にした杖を地面に捨てていた。 その上で、徒手のまま呪文を唱え、フーケの手の中にあった『禁断の剣』を破壊したのだ。 (まさか、別の杖を隠し持っていたの?………いいえ、違う、そんな仕草は無かった。では奇術?呪文を唱えるようにして、剣に細工して破壊した?) これならば有り得そうな話である。 しかし、彼女の直感は、あの時ウルザが魔法を使ったと感じている。 フーケは自らの感じたことを蔑ろにしない。これまで、それに何度も命を助けられ、盗賊となった後も自分を良く助けてくれている。 人間の直感は、時に冷静な思考よりも、的を射た回答を導き出す。 彼女はそれを経験から学んでいた。 「ああ、もう分からないことだらけねっ! 大体何なのよあの爺さん。 メイジの癖に両手に剣を持ってゴーレムと戦ったり、変なもの呼び出したり。 歳とは思えないほどすばしっこかったり、最後は別の世界がどうとか……全然、意味わかんないわ」 「何が、分からないのかな?土くれ」 「っ!!!」 自分の考えに没頭しすぎていたのだろうか、気付いた時には、牢の前には影一つ。 長身をローブで覆っている、手には杖、顔は白い仮面で分からない。 「警備厳重なチェルノボーグ監獄まで来ていただいて残念ですけど、ここには客人をもてなすような気の利いたようなものはございませんの」 「では、そのように不便なところから出たいとは思わんかね?マチルダ・オブ・サウスゴータ」 「!」 再びフーケの絶句。 かつての自分の名前を知る人間が、なぜトリステインに?そして、知っているならなおさら、何の為にこんなところに? 「あんた………何者?」 「我々は国の将来を憂い、国境を越えて繋がった貴族達の連盟」 「まさか…王家に楯突く気?正気じゃないわ」 「………その通り、我々の目的は革命だ。 無能なアルビオン王家は近く倒れる。 そして我々の手でハルケギニアは統一され、エルフどもから始祖ブリミルの光臨せし『聖地』を回復するのだ」 「………で、ご大層な理想を掲げるお貴族様達が、こそ泥風情に何の用かしら」 「我々は優秀な同士が一人でも多く欲しい、協力してくれないかね?」 「………断ることなんて出来ないんでしょ……わかったわ、協力する」 「さすが土くれ、分かってくれたか」 「それで、あんた達の連盟とやらはなんて言うのかしら?」 「レコン・キスタ」 小船の上、小さなルイズが膝を抱えて丸くなっている。 ―――上の二人のお嬢様はあんなに魔法がおできになるっていうのに…… ―――ルイズお嬢様は難儀ねぇ ―――まったくね貴族なのに ―――魔法が使えないなんてね 水に浮かぶ小船、そこはルイズのたった一つの安らげる聖地。 「お父さまは毎日お忙しくしているし…お母様もお話してくださるのは魔法のことだけ… お姉さま方はお勉強ばかりで、相手にしてくださらない… 私はここで…一人ぼっち…」 ―――ルイズ、どうしたんだい? 「え!?」 驚いて顔を上げるルイズ、そこには何処か懐かしい、見覚えのある青年の姿。 「泣いているのかい?」 「―――子爵さまっ!」 慌てて起き上がり、身だしなみを整えるルイズ。 子爵と呼ばれた男は、記憶のまま、柔らかな微笑みで少女を見守っている。 「い、いらしてたの?」 「ああ、君のお父上に呼ばれたのさ。あの話のことでね」 「あの話…って、いやですわ、子爵様ったら」 「ははは、ルイズ、僕の小さなルイズ…君は僕が嫌いなのかい?」 「そ、そんなことはありませんわ…でも、私はまだ小さいし、よく分かりません…」 頬を染めるルイズ、そこへ手を差し伸べる青年。 「行こうかルイズ、晩餐会が始まるよ。きっと皆待っている」 「―――でも」 やさしい目のまま、語りかける子爵。 「また怒られたんだね? 安心して…ぼくから、母上にとりなしてあげるよ。 ほら、掴まって、ミ・レディ」 「はい…!」 突然の風。 子爵の帽子が空を舞う。 髪を押さえて伏せていたルイズが、面を上げるとそこには子爵の姿は無い。 「おいで、私が君を導いてあげよう、ミス・ルイズ」 手を差し伸べている白い髭を生やした色眼鏡の男、ウルザ。 「―――――――っ!!!!」 ばね仕掛けの人形のように、ベットから飛び起きるルイズ。 ここはトリステイン魔法学院、ルイズの自室。 暗い闇夜、煌く星々。窓の外は今が夜であることを示している。 「………夢?」 「今日は随分と早起きではないかね、ミス・ルイズ」 部屋の隅の机、振り返ることもせずにウルザ。 「今しばらくの間、寝ているといい。朝になれば私が起こそう」 「……ミスタ・ウルザ、あなたは寝ないの?」 「………もう暫くしたら、眠ることにするよ」 チェルノボーグ監獄には、脱獄を成功させたものは誰一人として収監されていない ――――チェルノボーグの監視者 マジシャン ザ ルイズ 進む